医食同源 ~ある血液内科医のブログ~
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インフルエンザ
本日は,我々感染管理チームによる院内研修会でした
テーマは,今年も流行シーズンを迎えた『インフルエンザ』です。
毎年冬季(12月~3月)に流行を繰り返し,人口の5~10%が罹患すると言われています。今年の日本では,例年よりも3か月早く流行が確認されました
インフルエンザの流行は,「定点当たり報告数が1.00を上回ること」と定義されます。定点とは無作為に選定した全国約5000の医療機関のことで,それら1医療機関当たりに1週間に受診した患者数が定点当たり報告数となります
更に…定点当たり報告数が10を超えると『注意報』,30を超えると『警報』が発令され,一度警報が発令されると,定点当たり報告数が10を下回るまで発令され続けます。
最新の2019年12月9日~15日での定点当たり報告数は…大分県全体で19.60,別府市を含む東部保健所管内で14.75と注意報レベルを確認しています。尚,大分市に関しては37.24と警報レベルです。
インフルエンザの伝播様式は,飛沫感染と接触感染です。咳やくしゃみによる飛沫(しぶき)は2mも飛ぶことが知られていますので,人混みを避けるなど咳をしている人には近づかないようにしましょう。また,インフルエンザウイルスはアルコールに弱い性質ですので,消毒用アルコールによる手指衛生も効果的です。
何よりも予防の基本は,ワクチン接種です。感染を防止する効果は期待できませんが,発病や重症化を防止する効果は期待できます。しかしながら,効果が現れるのは接種後2週間から約5か月間です。11月末から遅くても12月上旬までに接種することが望ましいですが…受験など大事なイベントが控えている人には試験日2週間前までの接種もお勧めします
安藤 健明(血液内科部長 兼 総合内科部長)