医療法人恵愛会 中村病院（公式ホームページ）

　泌尿器科系で痛みが来る場合は急激に起きる場合と慢性的な痛みがある場合があります。急激に起きる痛みが来る場合をお話しします。急激に来る痛みで腰痛、脇腹が痛い場合は尿路結石で石が尿管に陥頓（尿管に落ち込んで詰まる）した場合に起きます。腎臓には痛みを感じる神経はありませんが腎臓周囲を線維膜が覆っていますがこれが拡張するために痛みが発生します。また結石の場合急激に陥頓した場合尿管腎臓周囲に尿が漏れたりして炎症が起きますので、腎臓周囲炎により痛みが発生します。従いまして慢性的に結石が陥頓している場合は激烈な痛みは発生しなのが普通です。また腎臓内に結石があっても尿の通過障害にならなければ痛みはありません。また腎盂腎炎になりますと腎臓自体に細菌がついて炎症を起こしますので腎臓が腫れなくても炎症が腎臓および腎周囲脂肪識に起きて痛みが発生します。診察の時に同側の背部、または側腹部を叩くと痛みがあります。これを叩打痛と言います。病変部位の診断の決め手となることがあります。また尿管結石が下降するとそれに伴い痛みが下方に推移することもあります。これは尿管周囲の線維膜が拡張するために生じる痛みです。
　結石症、腎盂腎炎などの炎症疾患の他腎臓の悪性腫瘍などでも痛みが生じる事がありますが、早期発見が健康診断などで可能な現代に於いては悪性腫瘍で痛みが出る事はまずありません。生じる事は相当進行してからでないとないようです。