医食同源 ~ある血液内科医のブログ~
医食同源 ~ある血液内科医のブログ~
インフルエンザ…最速で注意報
9月24日までの1週間に大分県内で確認された新型コロナの感染者数は1医療機関当たり12.52人で,前の週(16.88人)より減少しているものの,依然として注意報水準を超えています。
しかしながら,県内で新型コロナ以上に注意が必要となりつつあるのが,『インフルエンザ』です。インフルエンザの患者数は前の週の1.69倍で,1医療機関当たり13.79人でした。
以前の投稿でも示しましたが…インフルエンザの流行は,「定点当たり報告数が1.00を上回ること」と定義されます。定点とは無作為に選定した全国約5000の医療機関のことで,それら1医療機関当たりに1週間に受診した患者数が定点当たり報告数となります
定点当たり報告数が10を超えると『注意報』,30を超えると『警報』が発令され,一度警報が発令されると,定点当たり報告数が10を下回るまで発令され続けます。(尚,新型コロナでは警報や注意報を発令する基準がなく,大分県が独自の基準として県内58医療機関からの陽性者報告数をインフルエンザの基準に適用しています)
9月下旬での注意報発表は,現行の調査が開始された1999年以降で最も早い発令です。県内での予防接種開始も10月から予定されており,間に合っていない現状です
室内の換気,手洗いの励行,咳エチケットや場面に応じたマスク着用など基本的な感染対策を心がけていただき,発熱など体調に異変を感じた際には早めの受診をお願いします。ただし,受診が早すぎると抗原検査で陽性に出ない場合がありますので,発症後6時間以上経過した時点での受診をお勧めします。
注意していただきたいのは,インフルエンザに対する抗ウイルス薬(タミフル,リレンザ,イナビルなど)は発症後48時間を過ぎると十分な効果が期待できない可能性があるということです。
本日,3日前から発熱などが持続し,子供に同じ症状が現れたので一緒に受診されたインフルエンザ患者がいました。早期の診断および治療は御家族など周囲の人を守るという目的もありますので,適切な時期(発症後6時間~48時間)に受診していただくようお願い致します。
※当院発熱外来を受診する際には,受診前に必ずお電話ください
安藤 健明(血液内科部長 兼 総合内科部長)