医食同源 ~ある血液内科医のブログ~
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白血球が多いと言われたら…①
2023-07-26
健康診断の度に「白血球が多い」と言われたことがある人はいませんか?
白血球は..細菌などの異物を体内から排除する働きをもつ,いわば兵隊です。
そのため,白血球増加を来す最も頻度の高い疾患は『急性感染症』です。
ですが,白血球の寿命は約14日間と短く,白血球増加の原因が毎回『急性感染症』であることは難しいでしょう。
実は,健康成人に認められた慢性的な白血球増加の原因として多いのは『喫煙』です。次いで『肥満』も原因になり得ます。
喫煙者の全員が白血球増加を来すわけではありませんが,この白血球増加は「タバコをやめて欲しい」と体が発している悲鳴と考えます
原因が何であれ...白血球増加の状態が持続することは,それだけ心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高い状態が続くことを意味するのです。
禁煙により1年後には約300/μL減少
することがわかっており,この傾向は禁煙後3~4年持続することがわかっています。
以上より「白血球が多いのはいつものこと」とは考えず,血液内科での精査(二次検査)をお勧めします。
禁煙を含めた治療により白血球数を正常化することで,心筋梗塞や脳梗塞のリスクを減少させましょう
白血球増加の他の原因については,また別の機会で

安藤 健明(血液内科部長 兼 総合内科部長)