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医食同源 ~ある血液内科医のブログ~

医食同源 ~ある血液内科医のブログ~

高気圧酸素治療

2023-02-15
 コロナ対応に日々追われてしまい,長い間ブログの更新ができずにすみませんでした
 全国的に新型コロナウイルス感染が落ち着きつつありますので,久々に別の話題を提供したいと思います。
 
 私事でありますが…コロナ禍に試験を受けて,「高気圧医学専門医」の資格を得ました。
 これは,高気圧酸素治療に携わる医師に必要な専門医資格です。
 高気圧酸素治療は,いわゆる“酸素カプセル”に入っていただき,一般的に2気圧(大気圧の2倍)の環境下で100%酸素を吸入することで血液中の酸素量を増加させる治療です。これによって,酸素不足の状態にある組織に対して改善を図ります 当院では1人用の「第1種治療装置」を導入しています。
 適応疾患としては,減圧症または空気塞栓,急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒といった特殊な疾患の他,重症軟部組織感染症,急性末梢血管障害,脳梗塞,腸閉塞などが挙げられます。耳鼻咽喉科の先生から「突発性難聴」の患者さんの治療を依頼されることや,形成外科の先生から「骨髄炎」の患者さんの治療を依頼されることもあります。
 「脊髄神経疾患」として“間欠性跛行(しばらく歩くと足に痛みやしびれを生じ,少し休むとまた歩けるようになる症状)”を有する腰部脊柱管狭窄症の患者さんの治療を行い,症状が改善した経験もあります。
 以下に適応疾患を示しますので,心当たりのある方は一度主治医の先生と御相談してみてはいかがでしょうか?
 
<高気圧酸素治療の適応疾患>
1. 減圧症または空気塞栓に対して,発症後1か月以内に行う場合に,一連につき7回を限度とする。
2. 次の疾患に対して行う場合に,一連につき10回を限度とする。
    ア. 急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒
    イ. 重症軟部組織感染症(ガス壊疽,壊死性筋膜炎)または頭蓋内膿瘍
    ウ. 急性末梢血管障害
       (イ) 重症の熱傷または凍傷
       (ロ) 広汎挫傷または中等度以上の血管断裂を伴う末梢血管障害
       (ハ) コンパートメント症候群または圧挫症候群
    エ. 脳梗塞
    オ. 重症頭部外傷後もしくは開頭術後の意識障害または脳浮腫
    カ. 重症の低酸素脳症
    キ. 腸閉塞
3. 次の疾患に対して行う場合に,一連につき30回を限度とする。
    ア. 網膜動脈閉塞症 
    イ. 突発性難聴
    ウ. 放射線または抗がん剤治療と併用される悪性腫瘍
    エ. 難易性潰瘍を伴う末梢循環障害
    オ. 皮膚移植
    カ. 脊髄神経疾患
    キ. 骨髄炎または放射線障害


 安藤 健明(血液内科部長 兼 総合内科部長)

診察時間|CONSULTATION TIME
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