医食同源 ~ある血液内科医のブログ~
医食同源 ~ある血液内科医のブログ~
たばこの害 ~白血病編~
2019-09-01
たばこの煙には約5,300種類の化学物質が含まれており,その中には約70種類の発がん性物質が存在しています
たばこを吸っている人がかかりやすい病気として,「科学的証拠が,因果関係を推定するのに十分である(レベル1)」と判定された肺がん,食道がん,喉頭がん,胃がん,肝臓がん,膀胱がんなどの他,慢性閉塞性肺疾患(COPD),虚血性心疾患や脳卒中などが挙げられます。
それ以外にも,「科学的証拠が,因果関係を示唆しているものの十分ではない(レベル2)」と判定された疾患に乳がん,腎盂尿管・腎細胞がん,大腸がんなどの他,血液がんである『急性骨髄性白血病』が報告されています
国立がん研究センター予防研究グループの研究によると,男性では,喫煙指数(1日当たりの喫煙箱数 [1箱20本として] × 喫煙年数)が30未満のたばこを「吸っている」グループは,たばこを「吸わない」グループと比べて急性骨髄性白血病のリスクは上昇していませんでしたが,喫煙指数が30以上のたばこを「吸っている」グループは,急性骨髄性白血病のリスクがたばこを「吸わない」グループと比べて2.2倍であり,統計学的に有意に急性骨髄性白血病のリスクが上昇していました
ただし,本研究においては,女性において喫煙者や急性骨髄性白血病に罹患した人数が少なく,因果関係がはっきりしていません。
当院では,週2日(月・火)の午後より禁煙外来を設けています
予約が必要ですが,担当医と一緒に頑張ってみようという方はご連絡ください。
安藤 健明(血液内科部長 兼 総合内科部長)