医食同源 ~ある血液内科医のブログ~
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オミクロン株「4つの特徴」
2022-01-11
1月3日,38日ぶりに大分県内で新型コロナウイルスPCR陽性者を確認後,日に日に陽性者が増加しています 中でもオミクロン株による感染増加が心配されることから,今回は沖縄県の最前線で診療に当たっておられる北部地区医師会病院の田里大輔先生が提唱する『オミクロン株「4つの特徴」』を紹介したいと思います(出典・FNNプライムオンライン)
1つ目は「肺炎が少ない」ということ。
これまでの新型コロナウイルスは,軽症(時に無症状)でも検査すると肺炎という患者がいました。しかし,オミクロン株は逆に症状が強い患者でも,肺炎を認める患者は極端に少ないということです。
2つ目は「“風邪に近い”症状」です。
オミクロン株では,喉の症状と鼻水や鼻づまりを訴えることが多いといいます。
WHO(世界保健機関)によると,これまでの新型コロナウイルスが下気道(気管から肺まで)で増殖するのが多かったのに対し,オミクロン株は上気道(鼻から喉頭まで)で増殖するのが多いためとのことです。
3つ目の特徴は「潜伏期間が短い」ということ。
これまでの新型コロナウイルスは4~5日の潜伏期間と言われていましたが,オミクロン株は2~3日と,感染から発症までの期間が短い印象があるといいます。
4つ目の特徴は「回復までが早い」。
病院を受診する頃にはすでに回復してきている患者が多く,症状の回復時間が早い印象があるとのことです。
『重症化しにくい』,『軽症で済む』という印象が広がっているオミクロン株ですが,それはデルタ株と比較して…ということで,オリジナルのウイルスよりは重症化率は高く,決して弱毒株というわけではありません。
中和抗体薬や経口薬など早期の治療が効果的ですので,頭痛,咽頭痛,鼻汁,微熱,倦怠感,食欲不振,下痢など体調に少しでも異変がある場合には,速やかに医療機関への受診をお勧めします
安藤 健明(血液内科部長 兼 総合内科部長)