医食同源 ~ある血液内科医のブログ~
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新型コロナウイルス感染症
2020-03-03
今年の1月16日に日本国内で初の感染者を確認した「新型コロナウイルス感染症」ですが,異例とも言える『全国の小学校・中学校,高校および特別支援学校の一斉休校』などが実施される中,本日ついに大分県でも初の感染者が確認されました
ヒトに感染するコロナウイルスは従来,風邪のウイルス4種類と重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス,中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの計6種類が知られていました。新型コロナウイルスはこれらとは異なるウイルスで,主に呼吸器感染を起こし,病原性はSARSやMERSよりも低いレベルと考えられています。飛沫および接触によりヒト-ヒト感染を起こすと考えられていますが,空気感染は否定的です。
新型コロナウイルス感染症に特徴的な症状や所見はありません。発熱,咳,筋肉痛,倦怠感,呼吸困難などが比較的多くみられ,頭痛,喀痰,血痰,下痢などを伴う例も認められます。その中でも「長く続く発熱」と「強い倦怠感」は,本ウイルスに感染した方に認めやすい症状と言われていますただし,症状のみで診断を確定することはできませんし,現時点では一般の医療機関でのウイルス検査も実施不可能です。受診や予防に関する相談は,最寄りの保健所(大分県HP https://www.pref.oita.jp/site/bosaianzen/shingatacorona.html)へお願いします。
厚生労働省が示している「相談・受診の目安」は以下の通りです
- 風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続く場合(解熱剤を飲み続ける必要がある場合を含む)
- 強い倦怠感や息苦しさがある場合
なお,「高齢者」や「糖尿病,心不全,呼吸器疾患の基礎疾患がある方や透析を受けている方」,「免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方」,「妊娠されている方」は重症化しやすいため,①②の状態が2日程度続く場合には,御相談ください
安藤 健明(血液内科部長 兼 総合内科部長)