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医食同源 ~ある血液内科医のブログ~

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骨髄バンクについて考える ~1人の移植患者を通して~

2019-11-12
 今日,1人の患者・Aさんが会いに来てくださいました口を広げてにっこりした顔
 昨年末に東京の病院で臍帯血移植を受けた患者さんです。
 血液の元となる造血幹細胞が骨髄内で持続的に減少する「再生不良性貧血」で約10年間診ていたところ,急性白血病の前段階である「骨髄異形成症候群」へと進展してしまいました。そのため,入院していただき化学療法を開始したのですが,血小板を輸血しても全然増えない状態に陥ってしまいました青ざめた顔 Aさんの体の中で血小板に対する抗体がつくられてしまったのです。こうなるとAさんと同じ型の血小板を探して(正確には血液センターに探してもらって)輸血するしかありません。なかなか確保するのが難しい型のようで,今後の治療を考えると早期に治癒を目指した造血幹細胞移植を計画しました。
 ですが…血縁者だけでなく,骨髄バンクを探しても適合するドナーがいません。国内に限らず海外バンクを探してもドナーが見つからない状態でした。そこで不適合移植目的に東京の病院へ転院したのですが,幸いにも適合する臍帯血が得られたため,臍帯血移植が行われました。そして,今日…Aさんの元気な姿を見ることができたのです音符
 
 2019年3月末現在,日本の骨髄バンクドナー登録者数は509,263人です。ですが,毎年少なくとも2000人ほどの患者さんが造血幹細胞移植を必要としており,ドナーと患者さんが適合する確率は…兄弟姉妹で4分の1であるのに対し非血縁者間では数百~数万分の1まで下がってしまいます下に曲がる右矢印(青)
 1人でも多くの患者さんを救うためには,1人でも多くのドナー登録が必要です。その登録の前に,1人でも多くの人に関心を持っていただければ…と思う今日この頃です。
 
  安藤 健明(血液内科部長 兼 総合内科部長)

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