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医食同源 ~ある血液内科医のブログ~

医食同源 ~ある血液内科医のブログ~

検査室に支えられて…

2019-10-21
 10月18日(金),院内研修会が行われました。
 各部署から代表者が各々のテーマで,病院スタッフの前で発表する場ですマイク
 検査科からは『臨床へのアプローチの重要性 ~フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の症例から~』という演題で,他科に定期受診中の患者さんが3か月毎の血液検査で無症状のうちに急性リンパ性白血病の診断を得た1例でした。
 急性白血病の初期症状は発熱・だるさ・動悸・出血症状などがあり,このような訴えで病院を受診し,血液検査を含む精密検査により診断されます。しかしながら,今回は白血球数が3900 /μLから36700 /μLと急激な増加を示すものの,貧血も血小板減少も認めない段階でした驚いた顔
 異常値に気づいた臨床検査技師が速やかに主治医に報告すると同時に,血液標本を作製し顕微鏡所見より同疾患を疑うことにより血液内科へ紹介。骨髄検査により急性リンパ性白血病の診断が確定しました。そして,早期に治療を開始することで完全寛解骨髄の中の白血病細胞がほとんど消失し,血液をつくる機能が回復した状態)に到達することができましたいいね(手のひらが手前)
 発表者の言葉を借りると,検査科は検査結果を報告するだけでなく,そのデータの異常にいち早く気づき付加価値の高い情報を臨床に提供することが必要です。そのためには技師の知識・技術の向上が不可欠で,得た知識を円滑に提供し,医療の質・患者サービスの向上につなげるためにも臨床と検査科の連携が重要となります。
 有名人に白血病が見つかった際,テレビでは無責任なコメンテーターが「1年に1回の血液検査で早期発見ができる」と言っていました。
 そんなことはありません警告マーク(ひし形)
 今回のように,発症~進行が早い症例は少なからず存在します。健康診断の定期受診に加えて,体の異常を感じたら速やかに受診していただくことが重要です。そして,臨床検査技師たちの協力のもと,早期診断に至ることを再確認しました舌をだしたニンマリ顔
 
  安藤 健明(血液内科部長 兼 総合内科部長)

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