医食同源 ~ある血液内科医のブログ~
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65歳からの肺炎予防。
昨年の11月2日…市民公開講座で『高齢者の肺炎予防』という演題で講演をさせていただきました。
その際,「高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種(公費助成)は2019年3月末までの経過措置」とお伝えしました。ですが,高齢者に対する肺炎球菌感染症の予防の重要性から,2019年度(2019年4月)から2023年度(2024年3月)まで,定期接種制度が継続運用されることになりました これにより,それぞれの年度において,65歳,70歳,75歳,80歳,85歳,90歳,95歳,100歳以上になられる方,または60歳から65歳未満の方で,心臓,腎臓や呼吸器の機能に問題のある方などが,該当する年度に1回だけ公費助成を受けてワクチンの接種が可能となります
肺炎は,がん,心臓の病気に次いで,日本人の死因第3位です。2014年の厚生労働省データによると,肺炎による死亡者の約95%は65歳以上の高齢者であることが分かっています
そして,日常でかかる肺炎(市中肺炎といいます)の原因菌の中で,最も多いのが肺炎球菌です。また,脳梗塞,慢性肺疾患(COPDなど),糖尿病,気管支喘息,慢性心疾患など基礎疾患が1つでもあると,肺炎のリスクが高まります。病気治療中などで免疫力が低下している方,腎臓病を有する方,脾臓を摘出された方や喫煙中の方なども同様です
肺炎球菌ワクチンにはニューモバックスとプレベナーの2種類があり,公費助成のあるものはニューモバックスだけです。しかしながら,これら2つのワクチンを併用することで,より強力な肺炎予防効果が期待されています。それぞれのワクチンの適応や接種タイミングにつきましては,主治医に相談していただくか,当院であれば私・安藤の外来までお問合せください。
安藤 健明(血液内科部長 兼 総合内科部長)