医食同源 ~ある血液内科医のブログ~
今年度から帯状疱疹ワクチンが定期接種となりました。
2025-06-19
『帯状疱疹ワクチン』については,2024年1月23日の当ブログで紹介しました。
当時は,満50歳以上の方への任意接種に際し,別府市からの助成が行われるという内容でした。
2025年(令和7年)4月から帯状疱疹ワクチンが定期接種となり,
・年度内に65歳を迎える方
・60~64歳で,ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害があり,日常生活がほとんど不可能な方
が接種対象者とされました。
そして,令和7年度から5年間(令和12年3月末まで)の経過措置として,その年度に70歳,75歳,80歳,85歳,90歳,95歳,100歳になる方も対象となります。
また,令和7年度(令和8年3月末まで)に限り,100歳以上の方は全員対象となります。
帯状疱疹は,子供の頃に感染した水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節の中に潜み,過労やストレス,病気の罹患,加齢など免疫力が低下した際に,再び活性化して発症する疾患です。
50歳以上になると発症リスクが急激に上昇し,70歳代でピークとなり,80歳までに約3人に1人が発症すると推定されています
症状としては,水疱(水ぶくれ)が皮膚に分布している神経に沿って帯状に出現します
水疱が見られる2~3日前から痒みや痛みを感じるようになり,約1週間で水疱の多発や発熱,頭痛などの症状が見られることもありますが,通常は2~4週間で皮膚症状もおさまります。ですが,約2割の患者さんは,帯状疱疹が治った後も長期間痛みが残る帯状疱疹後神経痛を発症し,夜に痛くて眠れないなど生活の質が著しく低下してしまう恐れがあります
そのため,帯状疱疹ワクチンによる予防が勧められています。
帯状疱疹ワクチンには,1回接種の生ワクチンと,2~6か月間隔で2回接種が必要な不活化ワクチンの2種類があります。当院で取り扱っているのは後者の不活化ワクチン(以下,商品名シングリックス)です。
帯状疱疹発症予防効果は,生ワクチンが50歳代で69.8%であるのに対し,シングリックスは50歳以上で96.6%。効果持続期間は,生ワクチンが5年程度であるのに対し,シングリックスは9年以上です。
しかしながら,生ワクチンの費用が8,000~10,000円程度であるのに対し,シングリックスは1回20,000~25,000円程度(2回合計で40,000~50,000円程度)と高額であることが接種希望者の増加を妨げていた一因です。
そこで,大分県は18市町村すべてで費用を助成し,うち10市町村は対象者以外も助成する独自の制度を設けました。定期接種は住民票のある市町村で実施されますので,接種できる医療機関や費用,申し込み方法などについては各市町村にお問い合わせください。
別府市の助成額は,生ワクチンは3,500円,シングリックスは接種1回あたり9,000円です。
当院でも接種可能ですが,常備しているワクチン数に限りがあるため予約が必要となります。接種希望の方は,病院受付にて御相談ください。
安藤 健明(血液内科部長 兼 総合内科部長)






