医食同源 ~ある血液内科医のブログ~

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百日咳 ~約2週間かけて強くなる発作性けいれん性の咳~

2025-04-22
 百日咳は,激しい咳が特徴で子供を中心に広がる細菌感染症です
 咳が治まるまで約100日間と長い時間がかかることから,こう呼ばれています。
 患者の多くは乳幼児で,免疫の弱い乳児が感染すると重症化のリスクが高まり,肺炎脳症を合併するなど命にかかわることもあります
 3月31日から4月6日までの1週間に全国の感染者は722人と過去最多となっており,大分県内でも4月7日から13日までの1週間で7人の感染が確認されました。今年に入ってからの県内の感染者数は11で,すでに昨年1年間の3人を上回っています
 百日咳菌の感染力はかなり強く,集団の中に1人の感染者がいた場合,16~21人に感染させてしまうと言われています。インフルエンザは2~3人,みずぼうそうは8~10人,おたふくかぜは11~14人なので,感染力の強さがうかがえます。
 早期診断が難しい病気で,通常の血液検査(抗体検査)では診断が確定する頃には症状が治まってしまいます。2021年に約15分で診断できる鼻咽頭ぬぐい液を用いた抗原検査キットが発売されていますが,偽陽性率(感染していなくても検査が陽性となる確率)が39.6%と高いことが問題となっています。ちなみに,今年はすでにキット本体も品薄なようです。
 感染経路は咳やくしゃみによる飛沫感染や,感染者と接触することによる接触感染が主です。大型連休を迎えての感染拡大が懸念されることから,県は消毒や手洗い,マスクの着用などの対策を呼びかけています

  安藤 健明(血液内科部長 兼 総合内科部長)