医食同源 ~ある血液内科医のブログ~
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ぜひ不織布マスクを!
2021-08-28
日本の専門家,医師ら32人が連名で「新型コロナウイルスは空気感染が主な感染経路」という前提での声明を出し,8月27日にオンラインで記者会見を開きました
空気感染は,大きさが5マイクロメートル(0.005ミリ)以下の「エアロゾル」を吸い込むことで感染することを指します
厚生労働省は,新型コロナウイルスの感染経路として,くしゃみなどで出る大きなしぶきを介した「飛沫感染」や,ウイルスの付着した場所に触れた手で鼻や口を触ることによる「接触感染」が一般的と説明してきました。その一方,世界保健機関(WHO)や米国疾病対策センター(CDC)は,ウイルスを含んだエアロゾルの吸入についても感染経路だと明記しています
声明では,「空気感染が新型コロナウイルスの主たる感染経路と考えられるようになっている」と指摘。これまで考えられてる以上に距離が離れていても感染リスクがあるとともに,空気中のエアロゾルの量を減らすような対策で感染抑制ができるとしています
重要なのは,『換気』と『適切なマスクの着用』です。
換気に関しては,換気装置や空気清浄機などを正しく活用するための情報の周知が望まれます。
一時期のマスク不足や国が配布した「アベノマスク」の影響からか,布・ガーゼ製の他,ウレタン製のマスクを着用している方を見ることがあります
ですが,特にエアロゾルに関しては,その除去性能に大きく差があります(仙台医療センターウイルスセンターのデータを示します)。医療用マスクでなくとも,ぜひ不織布マスクを選択して下さい


また,一般的な不織布マスクは,積算8時間ほどで劣化が始まります。1日中着けっぱなしで使用せず,適度に交換することをお勧めします。
安藤 健明(血液内科部長 兼 総合内科部長)
